[最終更新日]: 2025/02/27
「小児矯正は途中でやめても再開できるの?」という疑問はありませんか。結論として、矯正治療は「再開」ではなく「最初からやり直す」ことになります。 その理由は、治療を中断している間に歯並びの状態が変化してしまうためです。
矯正治療を適切に終了した場合でも、歯並びが元の状態に戻る「後戻り」という現象が起こることがあります。そのため、矯正治療後には「保定期間」が設けられ、歯並びを安定させるための管理が行われます。 一方で、矯正治療を途中で中断すると、後戻りが起こるだけでなく、特に子供の場合は成長に伴い歯並びが変化するため、再開する際には最初から治療計画を立て直す必要があります。
小児矯正を途中で辞める事による影響について
乳歯のときにおこなう第一期治療は、永久歯がきれいに並ぶためのサポートを目的としていますが、100%成功するわけではありません。特に前歯の動きを予測しやすいものの、絶対ではなく、奥歯の並びは永久歯が生えそろうまで不確定です。そのため、第二期治療が必要になることがほとんどです。
噛み合わせが問題なければ第二期治療は不要ですが、噛み合わせの不整合は全身の健康にも影響を与えるため、注意が必要です。治療が第一期で完了するのは全体の約50%と言われていますので、途中で治療をやめてしまえば、第一期治療から再度始める必要があります。もし、永久歯が生えているタイミングであれば、第二期治療から始める必要があり、その場合、抜歯をしなければならないなどの影響が出ることもあります。
小児矯正の治療工程の役割について
小児矯正では、乳歯の時期におこなう第一期治療と、永久歯が生えたあとの第二期治療があります。それぞれの治療工程について、その役割を解説していきます。
第一期の役割
小児矯正(第一期治療)は、6歳から12歳頃に行う矯正治療です。 この時期は乳歯から永久歯への生え変わりが進むため、顎の成長を利用して歯並びを整えたり、生えるためのスペースを確保しやすいという特徴があります。
また、この時期の歯並びの悪化は、歯が並ぶスペースの不足や、指しゃぶり・口呼吸などの習慣が原因となることも多く、早期の歯科矯正治療でこれらも改善できます。
子供は適応能力が高いため、治療後は口の筋肉や歯茎が比較的早く馴染みます。このような治療を行うことで、第一期治療に続く第二期治療では、抜歯をせずに治療できる可能性が高まります。
第二期の役割
小児矯正における第二期治療は、永久歯がすべて生え揃った後に行われ、基本的に成人矯正と同様の方法でおこなわれます。
第二期治療の目的は、適正な歯並びと良好な噛み合わせの確立です。第一期治療を行うことで、永久歯が正しい位置に並びやすくなり、抜歯をせずに矯正できる可能性が高まります。 第二期治療は12~14歳頃に開始され、治療期間は1~3年程度です。 また、顎の成長が順調な場合は、第一期治療を行わずに第二期治療を実施することもあります。
小児矯正治療はなるべく継続を
ご紹介してきたように、小児矯正が可能な期間には限りがあります。そのため、一度中断すると「再開」ではなく、最初から治療計画を立て直す必要があります。不安があれば、必ず歯科クリニックに相談をしてみましょう。