子供矯正パーフェクトNAVI » 歯科医に聞く!子供矯正の不安&疑問徹底解消Q&A » 第一期治療のみで終了できますか?

[最終更新日]: 2025/02/27

子供の矯正治療を検討されている方には、「第一期治療」「第二期治療」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。 小児歯科矯正には2つの治療段階があり、それぞれ目的や方法が大きく異なります。 乳歯と永久歯が混在する時期に行うのが第一期治療、永久歯が生え揃った後に行うのが第二期治療です。矯正治療はこの2段階に分かれるため、治療期間も長くなります。 そのため、「第一期治療だけで矯正を完了できないか?」と考える方も少なくありません。今回は、その点について詳しく解説していきます。

第一期だけで終了できる場合とは?

子どもの矯正治療では、負担を考えて第一期治療のみで矯正治療を終わりたいと考える親御さんも多いかもしれません。しかし、実際には第二期治療へ進むケースが多いのが現状です。その理由としては、第一期治療と第二期治療の目的が違うためです。第一期治療では、お口の中の悪い癖の改善や前歯の矯正、歯の正しく生えるように顎の成長を促すことなどを目的としています。しかし、成長に伴う顎や歯の変化を完全に予測するのは非常に難しいことです。そのため、多くのケースで第二期治療が必要となるのです。ただ、もちろん、第一期治療のみで終了することもできますが、リスクも伴ってきます。

第一期治療の必要性は?

第一期治療は、本格的な矯正治療の前段階であるため、「必要ないのでは?」と考えがちですが、実は将来の歯並びや噛み合わせを整えるうえで非常に重要な治療期間です。

第一期治療から始めることで、永久歯が生えてくる顎のスペースが整い、第二期治療のみを行う場合よりも、治療期間が短く済む可能性があります。また、スペースを確保するために健康な歯を抜歯するリスクも低下します。このように、第一期治療を行うことで、患者への負担も少なくなり、トータルの治療期間が短縮される可能性があるのです。

小児矯正を第一期でやめてしまう要因

小児矯正で、第一期矯正が終了したら、治療をやめてしまうケースが多くあります。

さまざまな事情はありますが、歯科医師の判断なしに治療をやめてしまうことは、リスクも伴いますので、なるべく継続することをおすすめします。

通院が困難

まず、ひとつ目のケースは、通院が困難なケースです。矯正治療では、1か月から2か月に1度の通院が欠かせません。通院の目的は、むし歯や歯周病などが無いか、口の中をチェックすること、矯正器具の不具合がないかの点検、治療がうまく行っているか等の確認です。しかし、親御さんの転勤や子どもの進学などで引っ越しをした場合、通院ができなくなることがあります。このような場合は第一期で治療を終了することもありまが、通院している歯科クリニックで、紹介状を書いてもらい、引っ越し先の違う歯科クリニックで第二期治療を受けるという選択肢もあります。

子供がストレスを感じる

子ども自身がストレスを感じ、治療をやめたいというケースも少なくありません。第一期治療でも、矯正器具を装着することはありますので、日常生活などでストレスを感じる場合が多いものです。また、第一期治療の期間も、2年から3年と長くなるので、子どもにとってはやめたいという気持ちが芽生えてくるのも無理はないでしょう。このようなケースでは、親子でよく話し合ってみること、また、歯科医師も交えて治療のことについて話し合うことも大切です。

第一期治療で満足した

第一期治療で歯並びが良くなり、満足したという理由で治療をやめてしまうケースもあります。しかし、これからの成長過程でもその歯並びが維持できるとは限りません。

第一期治療は第二期治療の準備としての位置づけです。前歯の歯並びや噛み合わせを改善することが目的ですが、これは永久歯が生え揃う前の段階で行う初期的な処置です。すべての永久歯が生え揃ってからでなければ、第一期治療で整った歯並びは変化する可能性があります。もちろん、ある程度きれいになれば満足だという要望があれば、その時点で終了することもあるでしょう。

第一期治療で終了した場合のリスクとは?

小児矯正では、第一期治療と第二期治療を一体的な治療として考えています。ただし、場合によっては第二期治療を行わない判断がされることもあります。その場合には、以下のようなリスクも考えられることを理解しておきましょう。

ひとつ目のリスクは、「後戻りのリスク」です。第一期治療は歯並びのスペースを整えることが目的です。しかし、一期のみで終了してしまうと、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」という現象により、歯並びが戻ってしまうことがあります。

ふたつ目は、永久歯の生え方に問題が生じるリスクです。第一期治療には、将来の永久歯が理想的な位置に生えるよう、顎の成長を促す役割があります。 しかし、治療を途中で中断すると、永久歯が正しく生えず、将来的に歯並びが悪化する可能性があります。

第一期と第二期の治療は一体だと考える

小児矯正には第一期治療と第二期治療があり、成長の段階に応じて分かれています。 しかし、これらは一連の治療として考えることが推奨されています。

第一期治療のみで終了すると、後戻りや将来的な歯並びの問題が生じる可能性があります。 とはいえ、さまざまな事情により治療の継続が難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、迷わず通院中の歯科クリニックに相談することをおすすめします。

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