[最終更新日]: 2022/08/02
小児の予防型矯正治療であるマイオブレースですが、治療をスタートするのに適した年齢は何歳くらいなのでしょうか。年齢ごとに異なるマイオブレース治療の役割についても触れていますので、参考にしてみてください。
マイオブレース
治療に
適した
年齢は?
マイオブレースは、子どもの体の成長を利用してあごの発育を促し、歯並びを整えていく治療用です。そのため、適用される年齢は3~15歳の成長期。歯並びが悪くなる習慣を改善したり、クセがつかないようトレーニングしていくという内容なので、従来の矯正治療よりも早い年齢から治療を開始できます。
治療をスタートする時期は子どもの成長度合い・性格・ライフスタイルなどによっても異なるため、「何歳からスタートするべき」とは言い切れません。それぞれの子どもに適した治療開始時期があるため、まずはマイオブレース対応の歯科医院で相談してみることをおすすめします。
年齢ごとの
マイオブレース
治療の役割
マイオブレースは、子どもの成長や年齢によって治療の役割が異なります。
3~6歳
3~6歳は、乳歯が生え揃ってから永久歯が生え始めるまでの期間です。この時期に使用するのはマイオブレース・フォー・ジュニアという装置で、口周りの筋力アップと、上あご・下あごの発達を促す目的で使用されます。
発育不全の原因となり得る筋機能を活性化することにより、「お口ポカン」といったクセを改善。永久歯が生えるのに十分な大きさまで、あごの成長を促していきます。
6~10歳
乳歯から永久歯へと生え変わる6~10歳の時期は、あごの発育がピークを迎えます。この時期に使用するのはマイオブレース・フォー・キッズと呼ばれる装置で、あごの成長をしっかりと促進することにより、永久歯が生えるスペースを確保していきます。
また、出っ歯(上顎前突)・深い噛み合わせ・開口状態・すきっ歯などの改善も目的として、治療を進めます。
10歳以上
10歳以上になると、多くの子どもの永久歯が生え揃ってきている状態です。この時期に使用されるのはマイオブレース・フォー・ティーンで、歯並びを自然な位置まで導くことを目的としています。
この年代だと上あごの成長がピークを超えており、あごの成長発育を誘導するのはやや困難。その代わりとして筋機能を改善し、悪い歯並びの改善を目指します。
15歳以上
15歳以上の子どもは永久歯列となるため、ほとんど大人の歯並びへのアプローチとなります。この年代に使用されるのはマイオブレース・フォー・アダルトで、軽度~中程度の上下の歯並びの悪さを改善するのに用いられます。
ただし、フォー・アダルトのみで歯並びを改善するのは難しいとされており、効果が出ない場合はワイヤー矯正をはじめとする他の治療法が適用されます。
まとめ
マイオブレースには年齢ごとに違った役割があり、子どもの成長に合わせて適切な器具を選択、トレーニングを続けていくことが大切です。治療開始に適した時期は子どもによって異なるため、まずはマイオブレースを取り扱っている歯科医院に相談してみると良いでしょう。早め早めが重要です!
調査・文/坂野香織さん(歯科衛生士 有資格者)