[最終更新日]: 2024/10/31
子どものすきっ歯
すきっ歯は矯正治療で治せるか
すきっ歯とは、医学的に「空隙歯列(くうげきしれつ)」と言います。歯と歯の間に隙間があることで、特に上顎の前歯に隙間がある場合には「正中離開(せいちゅうりかい)」と言って審美的にも問題となります。空隙歯列の場合には、矯正治療によって治療が可能な場合もあります。主に顎の大きさなどを調整していく治療を行ないます。
いつ頃から始めればよいか
実は空隙歯列の場合、乳歯から永久歯に生え変わる時期にほとんどがすきっ歯の状態になります。一部には「アグリーダックリングステージ(みにくいアヒルの子時代)」などとも呼びますが、永久歯が生え揃えばほとんどの場合は正常な歯並びになります。しかし、一部では下記のような原因によって永久歯になっても空隙歯列が続くこともあります。
すきっ歯となった原因
原因としては、生まれつき歯の数が少ない(欠損歯)、歯の数が多く歯の成長を妨害している(過剰歯)などが考えられます。正中離開の場合には上唇から前歯に続くヒダ状の部分(上唇小帯:じょうしんしょうたい)の位置が歯茎の内側まで伸びている場合も原因となります。治療をおこなう場合には、まずレントゲンなどでお口の状態を観察します。歯が顎の中に埋まって生えてこない、歯が少ない場合には小手術をおこなったり、固定式の矯正装置を装着して治療をおこないます。正中離開で上唇小帯が原因の場合にも小手術をおこないますが、成長によって治癒することもありますがその離開が大きく経過観察では治癒しないと判断された場合は小学生のうちに手術を行うこともあります。
すきっ歯を放置するとどうなる?
病的な原因を排除しなかった場合、すきっ歯は基本的には改善しません。しかし、多くは問題なく、経過を行っていきます。
一番問題になるのは審美的なこととなります。お子様が思春期を迎えたとき、治したいと訴えるケースは少なくありません。幼いうちから治していけば比較的簡単に治療が行えるケースも多いので、一度、相談されることをお勧めします。
顎の骨の中では状況がより悪化している場合もあります。実例をあげれば、生えている歯の歯根部分を溶かしてしまったり、歯の動揺が大きくなってしまったりします。このような症状が大人に発生している場合は、難症例となってしまっている可能性が高く、場合によってはインプラントによって足りない歯を補わなければならなくなります。しかし、これが小児から矯正治療を行なう事で、インプラントを使用しなくとも自分の歯だけで咬み合わせ、歯並びを整えることも可能です。
お子さんのすきっ歯は保護者の方にとってはすごく気になることだと思います。何が原因で起きているかを診断することが重要となります。小帯が原因であればその手術は10歳未満の方が傷が残りにくいため、早期の対応が有効です。また、歯の形や切歯孔の問題であれば十分に成長が行われた後で十分対応が出来ます。前歯の永久歯が生え変わる6歳を過ぎた頃より歯科医院にて相談をしてみてください!
監修医師紹介

- 廣田正毅 歯科医/歯学博士
ひろたまさき歯科 院長
・北九州歯学研究会若手会
・JACD
・JACG
・日本口腔インプラント学会 - クリニックHP
https://www.hirota-masaki.jp - 所属
北九州歯学研究会若手会/JACD/JACG/日本口腔インプラント学会 - 電話番号
092-408-1414
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているものではございません