[最終更新日]: 2024/08/06
6歳になると、6歳臼歯と呼ばれる最初の永久歯(第一大臼歯)が生えてきますが、この時点で歯並びに隙間がまったくない場合、将来的な永久歯の歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。
ここでは、歯の隙間がなくなる原因と、それが引き起こすトラブル、その改善方法についても見ていきましょう。
歯の隙間は
なぜなくなる?
その原因
乳歯の時期の子どもの歯並びは、歯と歯の間に隙間が空いているのが理想的な状態。この隙間は発育空隙(はついくくうげき)と呼ばれており、永久歯がキレイに生え揃うために必要なものなのです。
永久歯は乳歯よりもサイズが大きいため、隙間がないと歯が生えるスペースがなくなり、歯並びが悪くなってしまいます。永久歯が生えだしてくる6歳ごろまでには、歯の隙間が空いていることが理想とされています。
歯の隙間がなくなる原因は?
歯の隙間がなくなる原因としては、あごが十分に発育していないことが挙げられます。あごの発育不全は、近年多く見られる「軟食」が原因のひとつ。あまり噛まずに食べられる軟らかいものばかりを食べていると、あごの骨が十分に発達せず、歯と歯の隙間が埋まってしまうのです。
歯の隙間がないとどうなる?
意外な
歯並びトラブル
永久歯の生える
スペースがなくなる
永久歯が生えてくる5~6歳ごろでも歯の隙間が空いていない場合、永久歯が生えてくるスペースがなくなり、歯並びがデコボコになる恐れがあります。
むし歯になりやすい
乳歯は永久歯よりも歯質がやわらかく、むし歯になりやすいのが特徴。歯と歯の間に隙間がないと汚れが溜まりやすくなり、むし歯になるリスクが高まります。むし歯が進行して抜歯という結果になってしまうことも、永久歯の歯並びが悪くなる原因のひとつです。
歯の隙間を
しっかりと作る
方法とは
正しく噛む習慣づくりを
心がける
心がける
あごの骨を十分に発育させるには、「しっかりと正しく噛む」という習慣づくりが大切です。食事やおやつにキノコ類・根菜類・干物・乾物といった食材をうまく取り入れ、噛む習慣を身につけましょう。
あごの発育を助ける
「マイオブレース」を
活用する
マイオブレースとは、子ども向けの予防矯正。シリコン製のマウスピースを使って口周りの筋肉をトレーニングし、正しい歯並びを実現できる土台づくりを行います。マウスピースは取り外しが可能で、1日1時間と寝る時に装着すればOK。基本的に、痛みが少ないとされる治療法です。
まとめ
永久歯が正しく並ぶためには、その土台となるあごの骨の発育を促すことが大事。乳歯期の頃からトレーニングを習慣化しておけば、歯と歯の間に適切な隙間ができ、正しい歯並びを実現できるでしょう。
子どもの歯並びやあごの発達には個性があるため、できるだけ早く専門家へ相談し、適切なトレーニングと開始時期を知っておくようにしてください。
調査・文/坂野香織さん(歯科衛生士 有資格者)