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[最終更新日]: 2025/02/13

子供の前歯が黄ばんで見えたり、茶色に見えたりすると不安になるかもしれません。着色汚れは、飲食物の着色成分やプラークの付着が原因のことが多いです。しかし、虫歯などが潜んでいることもあります。単なる着色だとしても、虫歯や歯周病につながるリスクもあり、放置していいものではありません。ここでは、子供の前歯の着色汚れの原因と予防方法、着色した場合の歯科医院での治療方法を解説します。

子供の前歯の着色汚れの原因

子供の前歯の着色汚れの原因には、着色成分やプラーク、虫歯、神経の壊死、エナメル質形成不全などがあります。着色汚れを防止するためにも、まずは原因を知っておきましょう。ここでは、子供の前歯の着色汚れの原因を一つずつ詳しく解説していきます。

着色成分の影響

子供の前歯の着色汚れの大きな原因は、食べ物や飲み物に含まれる着色成分(ステイン)です。これらの成分が歯の表面に付着し、時間とともに蓄積されると、歯の色が変化していきます。

特に注意が必要な食品は、チョコレートやココアに含まれるポリフェノール、ベリー類のポリフェノール、カレーのスパイス成分、ソースやケチャップ、しょうゆなどの調味料に含まれる着色料です。また、お茶類に含まれるカテキンや、豆乳・納豆に含まれるイソフラボンも着色の原因となります。

通常、これらのステインは唾液の働きやブラッシングによって除去されますが、歯の表面に固着してしまうと取り除くことが難しく、特に、歯並びが悪かったり、口を常に開けていたりする子供は、着色汚れが付きやすくなります。

着色を予防するには、色素の強い食品を控えめにし、食後の歯磨きとうがいを徹底することが重要です。また、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けると、固着したステインを効果的に除去できます。

プラークの付着

プラークとは、歯の表面に形成される細菌の膜のことで、食べ物の残渣や唾液中のタンパク質などが混ざって作られます。このプラークも着色汚れの原因のひとつです。

プラークは透明で目に見えにくいため、気づかないうちに蓄積されやすくなります。特に子供の場合、歯磨きが不十分だったり、歯ブラシが届きにくい部分があったりすると、プラークが長期間付着したままになることがあります。

前歯は唾液の作用を受けにくい部位であるため、プラークが付着しやすく、着色汚れの原因となりやすいのです。また、歯並びが悪い場合や、口呼吸をしている子供は、唾液による自浄作用が低下するため、プラークがより蓄積しやすくなります。

プラークを長期間放置すると、歯石になりやすくなります。さらに、プラーク内の細菌が産生する酸によってエナメル質が脱灰され、虫歯のリスクが高まります。

虫歯が原因

子供の前歯の着色汚れの原因の一つに、虫歯が挙げられます。特に1〜2歳の子供の上顎前歯は、虫歯が発生しやすいです。

この年齢の子供は、食べ物を前歯で齧り取るように食べるため、前歯の裏側に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。また、哺乳瓶の使用により、糖分が口腔内に長時間停滞することも虫歯のリスクを高める要因のひとつです。

さらに、卒乳(断乳)の遅れも前歯の虫歯の主要な原因となります。特に就寝中の授乳は注意が必要です。唾液の分泌が低下している状態であることから、母乳やミルクが前歯と唇の間に溜まり、虫歯を引き起こします。

虫歯による着色は、初期段階では再石灰化を促すことで改善できる可能性がありますが、進行した場合は歯科治療が必要です。虫歯がさらに進行すると、前歯が溶けたように見えることがあり、これは複数の前歯で虫歯が進行した結果です。

神経が壊死している

歯の神経(歯髄)の壊死も着色汚れに見えることがあります。外傷が原因で発生することが多く、幼児期や学童期の子供に多くみられます。

外傷により歯の神経が損傷を受けると、血流が途絶え、歯髄が壊死します。この過程で、歯の内部に出血が起こり、血液中のヘモグロビンが分解されて鉄イオンが生成されます。この鉄イオンが歯質に浸透し、時間の経過とともに酸化することで、歯が灰色や茶色、黒色に変色する原因となります。

神経が壊死した歯は、外見上の変色だけでなく、歯根の発育が停止したり、根尖病巣が形成されたりといった機能的な問題も引き起こす可能性があります。

このような変色は、通常のブラッシングや歯科クリーニングでは除去できません。治療には、歯内療法(根管治療)が必要となることが多く、場合によってはホワイトニングや歯冠修復などの審美的治療も検討が必要です。

エナメル質形成不全

エナメル質形成不全も前歯の着色の原因となります。エナメル質不全は、歯の発生過程でエナメル質の形成が正常に行われずに発生する症状です。遺伝的要因や環境的要因によって発生することがあります。環境的要因とは、妊娠中の母体の栄養不足、出生時の低体重、幼少期の高熱や特定の薬物の使用などです。

エナメル質が薄く、軟らかく、または完全に欠如している場合、歯の表面が凹凸になったり、白斑や黄褐色の斑点が現れたりします。変色は、食べ物や飲み物の色素が付着することでさらに目立つようになるのが特徴です。

エナメル質形成不全の歯は、通常の歯よりも虫歯になりやすく、温度や刺激に敏感になる傾向があります。また、審美的な問題も引き起こす可能性が高くなります。

子供の前歯の着色を予防する対処法

子供の前歯の着色汚れの原因には、さまざまな可能性がありました。原因はさまざまでも、健全な歯であれば着色汚れは発生しません。予防のためには、健康な歯を目指すことが大切です。ここでは、子供の前歯の着色を予防する方法を紹介します。着色汚れのない健康な歯を目指しましょう。

ブラッシングは丁寧に行う

子供の前歯の着色を予防するためには、ブラッシングを丁寧に行いましょう。前歯は食べ物の残りやプラークが溜まりやすく、特に着色汚れがつきやすい部分です。正しいブラッシング習慣を身につけることで、着色を効果的に防ぐことができます。

ブラッシングの基本は、適切な歯ブラシと歯磨き粉を選ぶことです。子供用の柔らかい毛先の歯ブラシを使用し、フッ素入りの子供向け歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。フッ素は虫歯予防にも効果的です。

ブラッシングの際は、前歯を丁寧に磨きましょう。特に、歯と歯茎の境目や裏側は見落としやすく、プラークや着色成分が蓄積しやすい部分です。ブラシを45度の角度で当て、優しく円を描くように磨くことで、効果的に汚れを取り除くことができます。

また、食後すぐにブラッシングすることも重要です。食べ物の色素が歯に付着する前に、早めに磨くことで着色を防ぐことができます。ただし、酸性の飲食物を摂取した後は、30分ほど待ってから磨くことが推奨されています。酸によってエナメル質が一時的に柔らかくなっているため、この時間を置くことで歯を守ることができるからです。

定期的に歯科検診を受診

定期的に歯科検診を受診することも重要です。定期検診は、虫歯や歯周病の早期発見と予防に役立ちます。口腔内の健康を維持するための基本的な取り組みです。

定期検診では、歯科医師や歯科衛生士が口腔内の状態をチェックし、歯垢や歯石の除去、フッ素塗布などのプロフェッショナルケアが行われます。特に、ブラッシングでは落としきれない部分の汚れをしっかりと取り除くことで、虫歯や着色汚れのリスクを大幅に減少させます。

歯科医院で子供の前歯の着色を取り除く方法

予防が大切なことは言うまでもありませんが、予防しきれず着色してしまうこともあります。着色してしまった場合は、歯科医院で取り除いてもらうことが可能です。歯科医院で行われる技術には、「スケーリング」「PMTC」「フッ素塗布」があります。詳しい施術内容を紹介します。

スケーリング

歯科医院で行われるクリーニング手法のひとつがスケーリングです。専用の器具を使用して歯の表面に付着したプラークや歯石、着色汚れを除去します。

子供は歯磨きが不十分なことが多く、食べ物の色素や細菌が歯に残りやすいため、定期的なスケーリングによってこれらの蓄積を防ぐことが可能です。施術後は、歯が滑らかになり、再度汚れが付きにくくなるため、虫歯や着色のリスクが低減します。

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科医院で行われる専門的な歯のクリーニング手法です。歯科医師や歯科衛生士が専用の機器を使用して、歯の表面に付着したバイオフィルムやプラーク、着色汚れを徹底的に除去します。

通常のブラッシングでは取り切れない微細な汚れを効果的に落とすことができる施術です。施術後は歯がツルツルになり、再度の着色を防げます。また、フッ素入りの研磨剤を使用することで、歯質も強化が可能です。虫歯や歯周病の予防効果も期待できます。

フッ素塗布

フッ素塗布は、歯科医院で行われる予防的な処置で、特に子供の前歯の着色防止に効果的です。フッ素を含むジェルや液体を歯の表面に塗布します。フッ素は、歯のエナメル質を強化し、外部からの色素が付着しにくくなることに加え、虫歯のリスクを低下させる働きがあります。

ブラッシングが不十分な子供は、着色汚れがつきやすいです。定期的なフッ素塗布をしておけば、着色しにくく健康な口腔環境を維持できます。痛みがなく、短時間で済む処置です。子供でも安心して受けられます。

前歯の着色は歯並びの悪さと関係がある

子供の前歯の着色汚れは、着色成分やプラーク、虫歯、神経の壊死、エナメル質形成不全などの原因で起こります。着色した場合は歯科医院で治療できますが、予防が大切です。正しいブラッシングと定期検診を行いましょう。

前歯の着色は、歯並びの悪さと密接に関連します。歯が不正咬合や重なり合っている場合、ブラッシングが不十分になりやすく、磨き残しが発生しやすいです。プラークが蓄積し、前歯が変色するリスクが高まります。また、ポカーンと開く口呼吸は着色汚れが付きやすくなります。歯並びが悪い場合は、歯並びの矯正をおすすめします。定期検診の際に矯正も検討してみてください。

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